大阪市西成区は、あいりん地区で知られる一方で、歴史ある神社仏閣も点在する地域です。特に区内最大の神社である岸里大社は、地域の総鎮守として長い歴史を持ち、毎年の祭礼は地域の重要な行事となっています。また、飛田新地近くに鎮座する松龍寺は「飛田さん」の愛称で親しまれ、聖徳太子ゆかりの寺として知られています。西成区の神社仏閣は、華やかさよりも地域に根差した素朴な佇まいが特徴で、社会の変化の中でも地域住民の心の拠り所としての役割を果たしてきました。特に近年は地域再生の核として、これらの寺社を中心としたコミュニティ活動も活発化しています。日本最大の日雇い労働者の街という側面と、古くからの信仰が息づく場所という二面性が、西成区の神社仏閣の特徴といえるでしょう。
目次
岸里大社
大阪市西成区の岸里に鎮座する神社で、西成区最大の神社として知られています。主祭神は素戔嗚尊（すさのおのみこと）で、地元では「岸里さん」と親しまれています。創建は古く、1300年以上前とも言われる由緒ある神社です。境内には樹齢数百年の楠の大木があり、神聖な雰囲気を醸し出しています。毎年10月に行われる例大祭「岸里だんじり祭」は、勇壮な山車が町を練り歩く地域の重要な行事となっています。また、安産祈願や七五三などでも多くの参拝者が訪れ、地域の人々の生活に密着した神社として大切にされています。
詳細情報
| 住所 | 〒557-0041 大阪府大阪市西成区岸里1-9-14 |
| アクセス | 大阪メトロ四つ橋線「岸里駅」から徒歩約5分 |
| 駐車場 | なし |
| 電話番号 | 06-6661-3183 |
| 拝観時間 | 境内自由（社務所：9:00～17:00） |
| 御朱印の有無 | あり |
松龍寺
大阪市西成区にある浄土宗の寺院で、地元では「飛田さん」の愛称で親しまれています。創建は593年（推古天皇元年）とされ、聖徳太子によって建立されたという伝説を持つ古刹です。本尊は阿弥陀如来で、境内には「太子堂」があり、聖徳太子が16歳の時に刻んだという「等身大太子像」が安置されています。また、毎年4月22日の聖徳太子の命日には「太子まつり」が行われ、多くの参拝者で賑わいます。地域の歴史的変遷の中で、常に地域住民の心の拠り所として存在し続けてきた寺院で、現在は地域再生の核としての役割も担っています。
詳細情報
| 住所 | 〒557-0004 大阪府大阪市西成区萩之茶屋1-3-25 |
| アクセス | JR環状線「新今宮駅」から徒歩約10分
大阪メトロ御堂筋線「動物園前駅」から徒歩約5分 |
| 駐車場 | なし |
| 電話番号 | 06-6641-4977 |
| 拝観時間 | 境内自由（本堂：9:00～16:00） |
| 御朱印の有無 | あり |
津守神社
大阪市西成区の津守にある神社で、地元では「つもりさん」と親しまれています。主祭神は天照大御神で、創建は古く、神功皇后の時代（3世紀頃）にまで遡るとされる古社です。かつてこの地域一帯は「津守」と呼ばれていましたが、その名の由来となった神社でもあります。境内には「御神水」があり、この水を飲むと病気が治るとされています。毎年5月に行われる例大祭では、神輿渡御や奉納芸能が行われ、地域の人々の交流の場となっています。また、七五三や初宮参りなど、地域の人々の生活に根ざした神社として大切にされています。
