広島市南区は太田川デルタの南部に位置し、広島港や広島駅を有する交通の要所です。かつては漁村や農村が広がる地域でしたが、戦後の都市計画で大きく変貌しました。南区の神社・お寺は原爆の被害を受けた施設が多く、戦後に再建されたものがほとんどです。特に段原地区や宇品地区には古くからの集落に関連した神社があり、地域の信仰の中心として親しまれています。また、海や港に関連した神社も多く、漁業や海運業の安全を祈願する場所として重要な役割を果たしてきました。比較的新しい住宅地である翠町や東雲地区にも、地域コミュニティの中心として機能する神社や寺院があります。南区の神社・お寺は復興と発展の歴史を見守ってきた存在といえます。
稲荷神社(宇品)
宇品地区に鎮座する稲荷神社で、江戸時代末期の1869年に創建されました。宇品港の開発と共に栄え、五穀豊穣や商売繁盛の神として地元住民や商人から信仰を集めてきました。祭神は倉稲魂命(うかのみたまのみこと)で、赤い鳥居が特徴的です。境内には多くの小さな祠が並び、独特の雰囲気を醸し出しています。原爆の直接的な被害は免れましたが、老朽化により戦後に社殿が建て替えられました。毎年初午祭が盛大に行われ、地域の重要な祭礼となっています。
詳細情報
住所 | 〒734-0015 広島県広島市南区宇品御幸5-23-1 |
アクセス | 広島電鉄「宇品五丁目」電停から徒歩5分 |
駐車場 | あり(少数) |
電話番号 | 082-253-3349 |
拝観時間 | 境内自由 |
御朱印の有無 | あり |
段原白神社
段原地区の鎮守社として古くから地域住民に親しまれてきた神社です。祭神は天照大神と白山比女神で、白山信仰の伝統も残しています。創建年代は不詳ですが、江戸時代には既に存在していたとされています。原爆で社殿が焼失しましたが、1950年代に再建されました。かつての段原は被服廠(へいふくしょう)があった場所で、多くの犠牲者を出した地区です。現在も地域の守り神として、特に子どもの健やかな成長を願う参拝者が多く訪れます。例祭は毎年10月に行われ、地域の伝統行事となっています。
詳細情報
住所 | 〒732-0818 広島県広島市南区段原日出1-15-15 |
アクセス | 広島電鉄「段原一丁目」電停から徒歩5分 |
駐車場 | なし |
電話番号 | 情報なし |
拝観時間 | 境内自由 |
御朱印の有無 | なし |
松原神社
広島駅近くに位置する松原町の鎮守神として親しまれてきた神社です。創建年代は不詳ですが、江戸時代には既に地域の信仰を集めていたとされています。祭神は須佐之男命で、海の神、嵐の神として漁業関係者からも信仰されてきました。原爆で社殿は全壊しましたが、1953年に再建されました。かつては周辺に松原が広がり、その名の由来となりました。現在は広島駅南口の再開発により周辺環境は大きく変わりましたが、古くからの地域信仰の場として大切にされています。毎年夏には夏祭りが開催され、地域住民の交流の場となっています。
詳細情報
住所 | 〒732-0822 広島県広島市南区松原町9-2 |
アクセス | JR広島駅から徒歩10分 |
駐車場 | なし |
電話番号 | 情報なし |
拝観時間 | 境内自由 |
御朱印の有無 | 不明 |
光明院
浄土真宗本願寺派(西本願寺)の寺院で、創建は江戸時代初期とされています。元々は中区にありましたが、戦後の区画整理で現在の南区に移転しました。本尊は阿弥陀如来で、親鸞聖人の教えを伝える寺院として地域の信仰を集めてきました。原爆で本堂などが全壊しましたが、戦後に再建されました。境内には原爆犠牲者の慰霊碑も建立され、平和を祈る場ともなっています。毎月28日には月例法要が行われ、地域の人々が集まります。また、年間を通じて法事法要も営まれており、地域の宗教活動の拠点となっています。
詳細情報
住所 | 〒732-0824 広島県広島市南区的場町1-4-9 |
アクセス | 広島電鉄「的場町」電停から徒歩3分 |
駐車場 | あり(少数) |
電話番号 | 082-262-4266 |
拝観時間 | 9:00~16:00 |
御朱印の有無 | あり |
寺岡神社
寺岡地区の氏神様として長く地域住民に親しまれてきた神社です。創建年代は不詳ですが、古くから地域の守り神として崇敬されてきました。祭神は大国主命とされ、五穀豊穣や商売繁盛、家内安全の神として信仰を集めています。原爆の直接的な被害は免れましたが、老朽化により戦後に社殿が建て替えられました。境内には樹齢数百年とされる御神木もあり、パワースポットとしても人気です。毎年10月に例大祭が行われ、地域の人々による奉納行事や神輿の巡行などが執り行われます。地域コミュニティの結束を強める場所として今も大切にされています。
詳細情報
住所 | 〒734-0026 広島県広島市南区仁保町74 |
アクセス | 広島バス「寺岡」バス停から徒歩5分 |
駐車場 | あり(少数) |
電話番号 | 情報なし |
拝観時間 | 境内自由 |
御朱印の有無 | 不明 |
向洋の森通り神明社
比較的新しい住宅地である向洋地区に鎮座する神社です。1970年代に周辺の宅地開発が進む中で、地域の守り神として建立されました。祭神は天照大神で、地域住民の生活の安全と繁栄を守る神として信仰されています。小規模ながらも周辺住民にとって大切な信仰の場となっており、季節の祭事も行われています。特に春と秋の例大祭は地域の行事として定着しており、子どもたちの健やかな成長を願う家族連れの参拝も多く見られます。新興住宅地における神社の役割を示す好例として、地域コミュニティの形成にも貢献しています。
詳細情報
住所 | 〒734-0051 広島県広島市南区東青崎町10-24 |
アクセス | 広島電鉄「向洋」電停から徒歩10分 |
駐車場 | なし |
電話番号 | 情報なし |
拝観時間 | 境内自由 |
御朱印の有無 | なし |
東本願寺広島別院
浄土真宗東本願寺派(大谷派)の寺院で、1594年に毛利輝元が広島城を築城した際に創建されたといわれています。当初は城下町の中心部にありましたが、戦後の区画整理で南区の現在地に移転しました。本尊は阿弥陀如来で、親鸞聖人の教えを広める拠点として機能してきました。原爆で全焼しましたが、1956年に現在の場所に再建されました。境内には「原爆慰霊碑」があり、毎年8月6日には原爆犠牲者の追悼法要が営まれています。毎月の定例法要や講座も開かれ、地域の宗教活動の中心となっています。
詳細情報
住所 | 〒732-0822 広島県広島市南区松原町10-5 |
アクセス | JR広島駅から徒歩10分 |
駐車場 | あり |
電話番号 | 082-261-4061 |
拝観時間 | 9:00~17:00 |
御朱印の有無 | あり |
宇品住吉神社






宇品地区に鎮座する神社で、1895年に宇品港の開港に伴い創建されました。祭神は住吉三神(底筒男命、中筒男命、表筒男命)と神功皇后で、海上交通の安全と航海の守護神として地域の海運業者や漁業関係者から信仰を集めてきました。特に旧日本海軍の宇品港との関わりも深く、多くの軍人も参拝しました。戦後は地域の守り神として親しまれ、特に海や船に関わる人々の信仰を集めています。毎年7月には例大祭が執り行われ、地域の伝統行事として定着しています。宇品の歴史と共に歩んできた神社として大切にされています。
詳細情報
住所 | 〒734-0011 広島県広島市南区宇品海岸2-13-22 |
アクセス | 広島電鉄「宇品三丁目」電停から徒歩5分 |
駐車場 | あり(少数) |
電話番号 | 情報なし |
拝観時間 | 境内自由 |
御朱印の有無 | 不明 |