川崎市麻生区は神奈川県の北西部に位置し、多摩丘陵の自然に恵まれた地域です。この地域の寺社は、古くから地域の信仰の中心として人々の生活に根づいてきました。特に王禅寺は平安時代に創建された由緒ある真言宗寺院で、区名の由来は「麻生(あさお)=麻の生える地」から来ており、王禅寺とは直接関係ありません。また、麻生区には里山の風景とともに古くからの神社も点在しており、季節の行事や伝統を今に伝えています。新百合ヶ丘を中心に都市化が進む一方で、これらの寺社は歴史的・文化的スポットとして大切に保存されています。春の桜や秋の紅葉の名所としても知られる寺院があり、都市部にありながら静かな祈りの場として多くの人々が訪れています。
王禅寺






真言宗豊山派の寺院で、創建年代は正確には不明ですが、伝承によれば天平宝字元年(757年)、寺伝では延喜21年(921年)に高野山三世無空上人が開山したとされています。江戸時代には徳川家康により三十石の朱印を与えられ、徳川将軍家の庇護を受けました。現在の本堂は昭和48年に再建されたものです。境内には「白龍の滝」と呼ばれる名所があり、また紅葉の名所としても知られています。毎年8月には大施餓鬼会が開催され、地域の伝統行事として親しまれています。建保2年(1214年)に日本最古の甘柿「禅寺丸柿」が発見された寺として有名で、その原木は国の登録記念物に指定されています。この禅寺丸柿は「柿生」という地名の由来となったと言われています。
詳細情報
| 住所 | 〒215-0013 神奈川県川崎市麻生区王禅寺940 |
| アクセス | 小田急線「新百合ヶ丘駅」北口からバス「王禅寺」下車徒歩約5分 |
| 駐車場 | 詳細情報なし |
| 電話番号 | 044-966-5135 |
| 拝観時間 | 境内自由 |
| 御朱印の有無 | あり |
琴平神社






元亀元年(1570年)に神明社として創建され、正徳元年(1711年)以前には伊勢山と呼ばれる現在地に社殿があったと伝えられています。文政9年(1826年)に、王禅寺村の名主・志村文之丞が讃岐国(現在の香川県)の金刀比羅宮の分霊を勧請し、神明社と合祀して現在の形になりました。主祭神は天照大御神と大物主神で、海上安全・五穀豊穣の神様として信仰されてきました。柿生駅や新百合ヶ丘駅からバスでアクセスする立地にあり、都市化が進む中でも静かな佇まいを保っています。毎年10月の例大祭では神輿渡御が行われ、地域の秋の風物詩となっています。また、境内には樹齢300年を超えるケヤキの大木があり、市の保存樹木に指定されています。地元では「ことひらさん」と親しまれ、厄除けや商売繁盛の御利益があると言われています。
詳細情報
| 住所 | 〒215-0018 神奈川県川崎市麻生区王禅寺東5丁目46−15(儀式殿) |
| アクセス | 小田急線「柿生駅」南口からバス「琴平下」下車すぐ 小田急線「新百合ヶ丘駅」南口からバス約12分「琴平下」下車すぐ |
| 駐車場 | あり(第一~第三駐車場、混雑時は臨時駐車場も設置) |
| 電話番号 | 044-988-0045 |
| 拝観時間 | 自由参拝(儀式殿は24時間参拝可能) |
| 御朱印の有無 | あり |
浄慶寺






浄土宗の寺院で、創建は元和元年(1615年)頃と伝えられています。上麻生村の地頭法名壽光院清譽浄慶居士が開基となり、證蓮社誠譽順阿長應が開山しました。本尊は阿弥陀如来で、地域の人々の信仰を集めてきました。柿生地区の上麻生に位置し、周囲は緑豊かな里山の風景が広がっています。境内には樹齢数百年の銀杏の大木があり、秋には見事な黄葉を楽しむことができます。また、春には桜、初夏には約1,000株を超えるアジサイが見頃を迎え、「柿生のあじさい寺」として広く知られています(6月中旬~下旬が見頃)。境内には表情豊かな多数の羅漢像があることでも有名です。四季折々の自然美を感じられる場所として地元の人々に親しまれています。毎年8月に行われる施餓鬼会は地域の伝統行事となっており、先祖供養の場として多くの人々が訪れます。静かな佇まいの中に歴史を感じさせる寺院です。
詳細情報
| 住所 | 〒215-0021 神奈川県川崎市麻生区上麻生6丁目34−1 |
| アクセス | 小田急線「柿生駅」から徒歩約10分 |
| 駐車場 | あり(少数) |
| 電話番号 | 044-988-1223 |
| 拝観時間 | 境内自由 |
| 御朱印の有無 | あり |

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